星野耳鼻咽喉科睡眠呼吸センター
兵庫県西宮市田中町3-1
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脳卒中という言葉は、「脳が卒然として邪風に中(あた)る」の意味で古くから知られていました。 脳卒中は
1.脳出血、2.脳梗塞(ラクナ梗塞、アテローム血栓性梗塞、心原性塞栓症)、3.クモ膜下出血、
に大きく分けられます。1965年の時点では日本の脳卒中死亡率は最も多く世界でも一位でしたが、その後、高血圧治療の普及や食生活の改善により急速に低下しました。これは脳出血の減少によるものです。最近では食生活の欧米化や高齢者の増加によって脳卒中死亡は横ばいになり、脳梗塞が6割を占めるようになってきています。脳梗塞は動脈硬化との関連が強く、今後も増加が予想されています。
脳卒中をいったん起すと、正常近くまで回復するケースは2~3割程度でしかなく、その結果日本の寝たきりの4割が脳卒中によるものであり、健康寿命を短縮させる原因として特に注意すべき疾患です。
クモ膜下出血は日本人に多く、人口10万人あたり、一年に20人発生しています。
脳動脈瘤、喫煙、高血圧、過度の飲酒、肥満で増加するとされています。
脳卒中の危険因子は以下のようなものがありますが、その多くは生活習慣病であり、日頃の節制が重要です。
1.高血圧 | 2.糖尿病 | 3.高脂血症 | 4.心房細動 |
5.喫煙 | 6.過度の飲酒 | 7.肥満 | 8.運動不足 |
9.その他 無症候性脳梗塞・無症候性頚動脈狭窄・卵円孔開存高ヘマトクリット血症・高フィブリノーゲン血症高リン脂質抗体症候群・高ホモシステイン血症動脈解離・先天的血栓性素因 |
2003年に日本脳卒中協会が脳卒中の予防のために標語として作ったものです。一項目ずつ解説していきましょう。
1.手始めに高血圧から治しましょう
高血圧は最も強力な脳卒中危険因子です。 高血圧の治療をすることで、脳卒中の4割は発症が予防されます。
2.糖尿病放っておいたら悔い残る
世界の疫学調査をまとめてみれば、非糖尿病者にくらべ糖尿病者では2~4倍 脳梗塞になりやすく、女性により多いとの報告が多いようです。
3.不整脈見つかり次第すぐ受診
心房細動という不整脈がある場合、心臓の中に血の塊(血栓)ができやすく、これが流れ出すと脳塞栓をおこします。血液が固まるのを防ぐ薬(抗凝固薬:ワルファリン)を適切に内服していると7割くらいは心原性塞栓症の予防ができます。
4.予防には煙草を止める意思をもて
喫煙者ではアテローム血栓性脳梗塞がふえますが、禁煙するとその危険度は5年後には、非喫煙者と同じレベルまでに下がります。
5.アルコール控えめは薬、過ぎれば
脳梗塞では少量飲酒(日本酒で一日1.5合以内)では脳梗塞の予防効果がありますが、それ以上では発症率が増加します。ただし、脳出血に関しては少量の飲酒といえども発症率が上がります。
6.高すぎるコレステロールも見逃すな
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が高いと、アテローム血栓性脳梗塞を起しやすくなります。
7.お食事の塩分・脂肪控えめに
食生活は生活習慣病予防・治療のかなめです。とくに塩分は一日10g以下にして高血圧を予防します。脂肪は動物性脂肪(飽和脂肪酸)の取りすぎをふせいで、肥満・高脂血症の予防に有効です。
8.体力にあった運動続けよう
適度な運動をつづけることが、内臓脂肪型肥満の発症を予防
9.万病の引き金になる肥り過ぎ
肥満の度合い(BMI)が上昇すると、ラクナ脳梗塞が発症しやすくなります。肥満は脳卒中だけでなく、すべての生活習慣病の地盤となります。
10.脳卒中おきたらすぐに病院へ
近い時期にt-PA (tissue Plasminogen Activator)という血栓溶解薬が発症3時間以内の超急性期脳梗塞に対する使用が認可されそうです(欧米では以前から脳梗塞の治療に認可されていたにもかかわらず、日本では心筋梗塞にしか認められていませんでした)。この薬が認可された折には、脳梗塞が起きた疑いがあれば、できるだけ早くこの治療をうけられる病院へ入院させることが必要になるでしょう。
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