星野耳鼻咽喉科睡眠呼吸センター
兵庫県西宮市田中町3-1
エイヴィスプラザ総合医療フロア
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睡眠は我々ヒトやマウスを含む脊椎動物から、ショウジョウバエなどの無脊椎動物まで広く認められる行動で、我々ヒトでは人生の約1/3を睡眠に費やしています。
睡眠の役割や制御メカニズムについては未だ多くの謎につつまれていますが、睡眠には「脳や身体の休息」、「記憶の固定」、「疲労回復」、「免疫機能の増加」、「感情の整理」など多くの役割があることが分かっています。
つまり睡眠は「単なる活動停止の時間」ではなく、「高度な活動を伴う覚醒を支えるための生存戦略」と考えられています。そのため、睡眠が「不足」または「障害」されると高次機能の低下、身体疲労、集中力低下、記憶力低下、思考力低下のみならず様々な合併症のリスクが増加します。
上述の通り、睡眠には心身をリフレッシュするために多くの役割があります。そのため、どんな動物も進化の過程で睡眠を放棄することはできませんでした。
また過去に行われた断眠実験では、全断眠(すべての睡眠を制限)・部分断眠(レム睡眠・ノンレム睡眠のどちらかの睡眠を制限)ともに、生体機能が劣化することが示されています。さらに、断眠が長期間にわたると、動物は死に至ることも確認されています。
ヒトやその他の動物において睡眠が必要不可欠であることは共通しますが、野生動物は眠ってしまうと外敵に襲われる可能性があるため、ヒトのように「無防備」な状態で「長時間」眠り続けることはありません。
高度技術社会において、人々は生産活動や経済的利益を重視するため、睡眠時間を短縮させる傾向がみられます。
慢性の睡眠不足(睡眠負債)は日中の眠気のみならず、心身の不調、倦怠感、不安、焦燥感が増加するとともに、身体疾患の誘因や増悪因子にもなります。さらに、作業効率低下、学業不振、遅刻、起床困難、不登校、交通事故、産業事故など睡眠負債と関連する項目は多岐にわたります。
2018年、OECD(経済協力開発機構)の報告によると日本人の睡眠時間は7時間22分と世界で最も短い時間でしたが、2020年の報告では6時間27分とさらに約1時間近く睡眠時間が減少していることが分かりました。
この慢性の睡眠不足状態に、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする様々な睡眠障害が加わり「睡眠の質」まで低下すると、その悪影響はさらに重大になることが容易に推察されます。
良い睡眠とは量(睡眠時間)だけに規定されるものではなく、質も非常に重要です。その中で、いつも患者様には下記の表「加齢に伴う睡眠の変化」を参考にお話しさせていただいています。
健常人を対象とした大規模なメタ解析の結果を示した表になりますが、思春期後半に8時間医程度存在していた睡眠時間が、65歳で約6時間、85歳未満では6時間未満と加齢に伴い緩やかに減少することが示されています。
必要な睡眠時間は個々に異なりますが、参考までにご自身の年齢と照らし合わせてみてください。
「四当五落」という単語を昔よく耳にしましたが、現実的ではない睡眠時間であると考えています。
【参考文献】
Ohayon et al. Meta-analysis of quantitative sleep parameters from childhood to old age in healthy individuals: developing normative sleep values across the human lifespan. Sleep, 27(7): 1255-1273, 2004から引用、一部改変
・大きないびきで家族や友人から心配されている
・夜に何度も目が覚める
・日中の眠気に耐え切れず授業・会議・試験で居眠りをしてしまう
・日中の眠気に耐え切れず事故を起こした、起こしそうになった
・朝寝坊して学校や会社によく遅刻する
・夜になると脚がむずむずして眠れない
・寝言、歯ぎしりに悩んでいる
・夢の内容通りに行動してしまい怪我をした
・ベットパートナーに怪我をさせてしまった
・昼夜が逆転して望ましい時間に起きれない、起きても眠気と倦怠感でやる気が出ない
・寝入りばなに頭の中で大きな音がする
睡眠の悩みは言葉に表現しにくいことも多々ございます。
漠然とした悩みでも結構ですのでお気軽にご相談ください。
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