星野耳鼻咽喉科睡眠呼吸センター
兵庫県西宮市田中町3-1
エイヴィスプラザ総合医療フロア
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原因は睡眠中に上気道(鼻や咽喉)が更に狭くなる、もしくは閉塞することです。正常な方でも、寝ているときは、起きているときよりも鼻から咽喉までの呼吸抵抗は高くなり、多少鼻で息がしにくくなります。
鼻の粘膜はスポンジの様な海綿体と呼ばれる血管の多い組織で作られているため上向きに寝れば鼻の奥の ほう、左の頭を下にして寝れば左に血液が溜まり鼻のとおりが若干悪くなるのです。
舌や軟口蓋(のどちんこ)、扁桃腺も筋肉の弛緩などにより下方へ引っ張られ、咽喉頭の部分も空気のとおりが悪くなります。何もなければこの程度に、上気道(鼻や咽喉)が狭くなっても寝ているときは基礎代謝や酸素消費が少ないので大丈夫です。
しかし、風邪、鼻や咽喉頭の疾患、肥満に伴い、さらに咽喉頭の狭小が起きると、必要な酸素を得るため、鼻で思い切り息をしなければなりません。咽喉は食事もしなければならない組織なので鼻のように支えるべき骨の骨格(柱)がありません。
昔習ったベルヌーイの定理により、思い切り鼻で息を吸うと咽喉の空気の流れが加速します。空気の流れの速いところでは陰圧が加わり更にも増して咽喉が狭くなります。そこをすごい速さで空気が流入しますので、通路に当たる振動しやすい部分(のどちんこや舌)が震えます。狭くなった渓流を勢いよく水が流れ、音を発生するのと同じです。川に刺さった枝(咽喉チン子)が震え、川にある比較的大きな石(扁桃腺や舌の付け根など)は転がります。
これが鼾の音です。
息が苦しいから、更に思い切り息を吸うと更に咽喉は狭くなり閉じてしまいます。無呼吸です。
では 口で息をすれば良いのではと考えるのですが、実際に測定してみますと起きている時も、寝ているときも口で息を吸うより、鼻で息をしたほうが抵抗が少なく楽になるのです。
口呼吸のほうが鼻呼吸より口以下の上気道が更に狭くなり更に鼾の音が大きくなる可能性があります。
それでも敢えて口をあけて口呼吸に移行するのはなぜでしょうか?
JOHNSより引用
余りにも鼻の抵抗が高くなり、現状では得策ではないのですが、口のほうがましだということで、口からの呼吸に移行するのです。口呼吸は短期的には必要な酸素を確保するためには良いかもしれませんが、長期的には睡眠中、睡眠外を問わず不利な状況となります。口からゆっくり呼吸をしている限りは抵抗が高いので鼾音ぐらいはするかもわかりませんし、多分息はあまり止まりません。
上の表でも判りますように、苦しいからといって口で思い切り息を吸うと鼻で息を吸っているときよりも、更に咽喉が狭くなったり、舌の付け根が落ち込んでいますので、陰圧がかかって簡単に息が止まって(閉塞)しまうのです。睡眠時無呼吸症候群も鼾の発生の原因と同じように考えてください。
思い切り鼻で息を吸う→咽喉がツマル→口で息を吸う→余計に息が出来ない。
無呼吸が起きますと当然血液中の酸素濃度が低下し炭酸ガス濃度が高くなります。すると覚醒反応が起こり、呼吸再開となり大きな喚起の力が働きます。このとき閉塞していた気道が開放されて呼吸を再開します。
この時の大きな呼吸再開のときに生ずる音がが、いったんいびきが静かになった(=無呼吸になった)あとに再び起こる、大いびきです。患者様しだいですが低酸素、高炭酸ガス血症を改善し過ぎて(無呼吸の後過換気が起こると)逆に低炭酸ガス血症になることもあります。そうなると脳はこれ以上息を吸わなくてもいいと呼吸器に指令を出します。いわゆる中枢性無呼吸が起こります。
いびき、睡眠時無呼吸症候群の治療で普段の睡眠中、口呼吸から鼻呼吸へ患者様を導くことは非常に大切なことです。
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